先月4月29日に永眠した、96歳の父の万年筆。
私は、万年筆を形見としてもらうことにしました。
平成17年、当時小泉首相の時、「内閣総理大臣 贈」として授与されたもの。
美しい伝統工芸の蒔絵が施された万年筆です。
父は、義務教育を卒業するとすぐ、海軍に志願しました。
その労苦を慰労するということで、記念品や感謝状が贈られました。
父は、当時、それはそれは喜んでいました。
総理大臣からの贈り物ですものね。
その万年筆は、長いこと使っていなかったようでした。
ペン先を洗っても、カートリッジインクを替えてもインクが出なくなっていました。
今日、ペン先のカートリッジインクを差し込むところも洗って、やっとインクが出るようになりました。
私自身の万年筆は、25年くらい前に買った黒いボディのもの。
年賀状も出さなくなって、この数年、ほぼ使っていなかったので、私の万年筆も、ペン先を洗い、インクが出るようにしました。
不思議なことに、父が平成17年に贈られた蒔絵万年筆も、私が25年前に買った万年筆も、どちらも「セーラー」でした。
父は、戦争のことを殆ど話しませんでした。
「話さない」と決めていたのではないかと思います。
それほど、辛い思いをいくつもしたのだと思います。
その代わりに、母から、どれほどひもじかったか、どれほど怖かったか、耳にタコが出来るほど聞かされて、私は育ちました。
父が贈られた、特別慰労品の蒔絵万年筆。
漆、金、銀、すず粉、貝などを蒔きつけて仕上げてあると、説明書にありました。
これを機会に、スマホ・パソコンばかりではなく、「万年筆で書く」という動作を日々の生活に取り入れてみます。
心の静寂になりそうです。
ご訪問、ありがとうございます。
雨模様の日曜。
今日は、大阪は、さほど降らなかったです。
また新しい一週間が始まります。